94ページから102ページまで。自然数に対して成立している数学的帰納法を、整列集合に拡張してできた超限帰納法というのがすごい。
順序同型
- 順序を保つ写像
- 順序単射
- 順序同型写像
などが登場。順序同型写像は順序単射かつ全射。全単射だから逆写像も存在して、順序を保っているんだから、逆写像も順序同型写像となる。このような順序同型写像が存在するときに順序同型である、と言う。順序集合感の順序同型関係にはP95のように同値関係が成立している。
双対の概念
ちょうど集合論のゼミのほうで、開集合と閉集合が双対の関係にあるというのが出てきたんだけど、そういうのについて。なんか例ないかなーとか言っていたら、misho先生が教えてくれた。
p.97の定理1の双対を取るとNの任意の空でない部分集合は,「小さい方が強い」という順序の下で,最大元を持つ。通常の順序で最小元を持つ,ということと同じ事を言ってるに過ぎない。
整列集合
まず、自然数全体の集合(これは順序集合)が持つ重要な性質が書かれてある。
Nの任意の空でない部分集合は最小元を持つ。
最小元についてはこの辺でまとめてた。
で、整列集合の定義が書いてある。
一般に、Wが全順序で、その空でない任意の部分集合がいつも最小元を持つとき、Wを整列集合という。
例えば、こんなやつとかも整列集合となる。関係は集合の包含関係のやつで。
「有理数だと任意の部分集合を持ってきたときに最小元が存在しない場合があるのか?」とか思っていたら、こんな例が。
その後に直後の元、直前の元というものが導入される。この辺はあとで効いてくるところ。
p.99に整列集合の性質が書いてあって
- min Wが存在する。
- aをWの任意の元とするとき、もしaよりも後にあるWの元が存在すれば、aの直後の元が存在する。
二つ目のほうはなんか自明に聞こえてしまう。ので、反例が上げてあった。自然数にωとかいう自然数じゃない記号をぶちこんでむりやりやっているようだ。
切片と超限帰納法
整列集合Wの元に関するある命題Pがあって、それについて次の(*)が示されたとすれば、PはWのすべての元について成り立つ。
(*)aをWの任意の元とするとき、x < aであるWの各元xについてPが成り立つと仮定すれば、Pはaについても成り立つ。
(*)「xについてPが成り立つ」
「Pが成り立つようなWの元全体の集合をW'とする」
「Pはaについても成り立つ」
だから、[tex:W \subset W' \Rightarrow a \in W']
が任意の[tex:a \in W]についていえる→(*)
で(2.1)の下の方の議論でW'=W
よって定理2が成立