2018年の砂場活動振り返り

インフラやミドルウェアにとにかく苦手意識があるが、仕事的にいつまでもそう言ってられない。そこで、最悪全部ぶっ壊れても大丈夫な砂場を作り、そこを土台に活動をするというのを2018年の目標に設定していた。

結構な時間をかけたこともあり、それなりの砂場と活動ができて、自分としても勉強になってよかった点が多かったので振り返りを書きます。一個一個ちゃんとエントリ書いていたので、振り返りが楽で助かった。

完成系はML Newsだけど、2018年1月時点では

  • そもそもWebアプリですらなくCLIアプリだった
  • データの管理もデータベースではなくテキストファイル

という素朴な作りだった。

インフラ編

最初はCLIアプリをWebアプリにする活動をやったが、その後はAWS上にインフラ部分の構築を進めた。

次に一台のEC2をAWSコンソールから立てて、sshでログインしてyumコマンドを打って...という10年前くらいのサーバー構築をやった。しかし、EC2のスペックを変えて作り直すのはあまりにもダルかったので、ansibleでミドルウェアのインストールや必要な設定をやらせるように。

一台のEC2にWebアプリもredisもpostgresも同居してという状況だと辛い状況(公開する関係でWebアプリはpublicサブネットに置きたいけど、DBもpublicサブネットに置いてる...)になるのは目に見えていたので、managedサービスが存在するものはそれを使うようにした。AWS上でのリソース構築は会社でCloudFormationを使うことが多かったので、自分も使うことにした。

CloudFormationはまあ書くだけという感じだけど、VPCやサブネット、セキュリティグループをどう設定するとよいかをイチから自分で考えるのは普通に勉強になったので、やってよかったですね。CloudFormationのテンプレートはどういう粒度で分割すればいいのかは未だに分からない。CloudFormationのyamlを編集するのも辛くなってきたのでaws-cdkも試しましたが、こちらはまだまだ開発中という感じだったのでしばらく放置しています。

WebアプリをEC2上に立てていたが、世の中コンテナ化が進んできていてどういうよいところ悪いところがあるのか知りたい自分も知りたい、仕事的にも知っておく必要があるということでコンテナ化を進めた。

最初は自分でEC2を立ててECSのクラスタにjoinさせる、という形を取っていたが「いい加減EC2の管理をしたくないなぁ...」と思ってきたため、途中からFargateを使うように。FargateだとEC2を立てておかなくてもdesired-countを変えればアプリケーションサーバーの個数も変えられるので楽になった一方、EC2より若干お高いとかログ周りが微妙(fluentdとの連携とか)、Fargateの起動は若干もたつくなどが試して分かってきました。この辺から必要なリソースをある程度自由に変更できるようになってきたため、砂場感が出てきました。

コンテナ化したご利益でAWS Batchも使えるようになりました。普段のWebアプリのワークロードと異なる機械学習のモデルの学習などはAWS Batchに投げ込むことができるようになったため、バッチが走っている間レイテンシーが落ちる...といったことを心配しなくてよくなりました。AWS Batchは仕事でも使っていますが、便利ですね。

AWS Batchで複数のジョブを管理していると、そのバッチの順序依存関係をcron職人芸ではなくもっと賢い方法で管理したくなりました。同僚が使っていたStep Functionsが便利そうだったので導入したのもこの頃でした。試した内容はLTで発表も行ないました。

機械学習をやるためにデータ基盤周りのことを考えることが増えてきましたが、その辺も試してみようということでCloudWatch LogsからKinesisを通してS3にログを転送して、Athenaで分析するといったこともやりました。やってみたのはよかったですが、ログの流量がまだまだ少ないのでどういうところで困るかはまだまだ見えてこないという状況ではありました...。

ミドルウェア編

インフラ編である程度下周りは整備したので、パフォーマンス改善の活動を通してミドルウェアのことを知る活動も行ないました。ISUCON勢には当たり前すぎるところから、という感じではあります。当たり前のことを当たり前にできるようになっていきたい。

チューニングをした結果、改善したのかそうでないのかを判断するためのモニタリングをやれるようにしたり、DBで必要なインデックスを張るとか、コネクションプールを適切に設定するとか、そもそもボトルネックきちんと把握できてる??といったことを少しずつやっていきました。AWSの課金額が順調に増えてきてしまったのもこの辺だ😇

チューニングではないけれど、Nginxの設定をあれこれいじったりということもやっていました。

フロントエンド編

砂場活動のメインの目的はインフラ方面の知識および経験の強化ですが、Webアプリを作る過程でフロントエンドでも勉強になりました。Vue.jsを導入してSPAにしたり、Cognitoを使って認証させたりといったことをやっていました。以前は趣味でjavascriptを書く機会が皆無だったので、趣味でもjavascriptを書く機会ができたのはよかったなと思います。当初は特に予定がなかったサーバーサイドレンダリングも導入成功していた。

まとめ

2018年の砂場活動を振り返りました。正直、よい設計に落し込むまでめちゃくちゃ遠周りしているし、AWSへの月々の課金も無視はできない金額になっています(現実的なところに落と込んだら課金も減りつつある)。しかしながら、以下のような大きなメリットがありました。

  • 遠回りするとどのアプローチがどうダメだったかが身を持って分かる
    • 多少痛い目に合わないとどれくらい困るかがイメージが湧かない性格...
  • 多少データがぶっ飛ぼうが困るのは自分だけなので、思い切ってあれこれ試せる
    • 精神的な障壁を低くするという砂場活動の目的を十分果たせていたと思います

インフラ/ミドルウェアの苦手意識はまだまだ払拭できてはいませんが、2018年に作った砂場を足場に2019年には多少の武器にしていけるようにしていきたいなと思います。

飽きっぽい自分としては、年始に立てた目標を年末までちゃんと継続的に取り組めていたことに驚いていますが、エンジニア1on1で適切にフィードバックをくれたid:shiba_yu36さんの力が大きかったなぁと思います。ありがとうございます!