からまでの範囲でをフーリエ級数展開してみる(フーリエ解析 (理工系の数学入門コース 6)のp18の例)。nの次数を上げていくと元の関数に接近していくということが分かる。この図でこそ、元の関数と一致している点のほうが有限個くらいしかないように見えるが、極限を取ると一致しない点が有限個しか存在しないというところまで持っていける。
f <- function(n) { function(x) { sum <- 0 sum(sapply(1:n, function(n) { 2 * (-1)^{n + 1} * sin(n * x) / n })) } } x <- seq(-pi, pi, length.out=100) par(mfrow=c(2, 3)) for(n in seq(2, 12, length.out=6)) { plot(x, sapply(x, f(n)), type="l") }
積分できる
積分は一般的に難しい演算。しかし、三角関数や指数関数は積分でも扱いやすい部類に入る関数たちなので、フーリエ級数展開をすることにより積分が容易にできるようになる可能性がある。複素フーリエ変換
オイラーの公式を使って、フーリエ級数を指数関数を使って書き直したものを複素フーリエ級数というらしい。スペクトル
理工系では、をスペクトルということがある。例えば、太陽光は色々な周波数を持つ光の集まりであるが、光の色はその周波数によって決まるので、色々な色の光が集まって太陽光になっているということができる。太陽光をプリズムに通すと、異なる周波数の光は屈折率が違うので、虹のように色が分解し現われる。プリズムは分光器の一つである。分けられた光の分布がスペクトルである。分光されたn番目の光の強度は、に比例する。
数学においても、関数の複素フーリエ係数を求めることを「関数のスペクトルを調べる」とか「関数をスペクトルに分解する」ということがある。
- "分けられた光の分布がスペクトルである"
- 関数の複素フーリエ係数を求めることを、「関数をスペクトルに分解する」という
- フーリエ解析 (理工系の数学入門コース 6)のp42の例2.4とか分かりやすい
フーリエ変換
さてさて、やっと周期がないような関数に対してのフーリエ級数展開に対応するものを考えることができるようになる。フーリエ解析 (理工系の数学入門コース 6)のp72くらいから。周期の周期関数を考える。これが複素フーリエ変換できるとするととなり
と分かる。周期がないものを考えたいので、の極限について考える。、と置くと
と書ける。ここで、の極限を取るとリーマン積分の定義から
となるから、これを使うと和を積分に変えることができ、先程の式は
とできる。これをフーリエ積分表示というらしい。式展開があまりにも直感的なので、大丈夫なのかを心配になるが、絶対可積分可能であれば、大丈夫ということが知られているらしい。
ある関数をフーリエ級数で展開するときにを計算した。このを使うと、元の式を指数関数を使って展開したものが具体的に構成できた(フーリエ解析 (理工系の数学入門コース 6)のp74の図3-4)。このように
- フーリエ級数を求めることは、周期関数をフーリエ級数の組に展開すること
- フーリエ級数から関数を求めることは上の変換の逆変換
であると考えることができる。こういう立場から
を見てみると
と書き直すことができる。をフーリエ変換、をの逆フーリエ変換という。のほうはを計算することに対応していたことを思い出すとフーリエ変換は「時間から周波数領域への写像である」ということが分かってくる。
参考にしている本
- 作者: 大石進一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1989/06/13
- メディア: 単行本
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