すうがくぶんかの統計検定1級対策講座を受講してる

統計検定1級の資格がめっちゃ欲しいわけでもないし、試験自体コロナの影響で中止になったわけだけど、すうがくぶんかの講座の受講を始めた。

受講のモチベーション

受講の理由は一言でいうなら、自分の数学力の圧倒的な衰えに対する危機感から。前職は研究職だったので、日常的に論文読んだり自分でモデルを作るために数式をいじることがそれなりにあったが、現職にきてからは機会がぐっと減っている。異常検知の機能を実装する際には、本や論文を読んだり実装してまだ機会があったが、最近は仕事で触る機会をほとんど失なってしまった。一応書いておくと、現在やっているデータ基盤とかデータ整備的な仕事はそれはそれで重要であると思っているので、機会がないことに対して現職に不満があるというわけではない。

数学の力は多分コーディングと一緒で、日常的に触らないとどんどん落ちていく。統計検定の問題を試しに問いてみると、合成関数の微分をミスったり、大学生のときにはできたであろう積分が求められなくなっていて、割と凹んだ。

自分で問題を解けばいいという話ではあるのだけど、継続力があまりない人間なのでやらなきゃ!という動機を作りたくて講座の受講を始めた次第。全8回で80000円なので、普通に高い。

講義の内容

1級ということで、めちゃくちゃ難しい問題ばかりじゃないかと想像するかもしれないけど、統計検定に関してはそういうわけではない。学部の3~4年の数理統計で習うような内容が多い。第一回の講義内容でいうと、以下のような問題を解いた。ほぼ教科書に載っているような代表的な事例ばかりである。

  • 代表的な確率分布に対するモーメント(平均 / 分散 / k次モーメント)の計算
    • ガンマ関数
    • 正規分布
    • 二項分布
    • 負の二項分布
  • モーメント母関数をk回微分して0を代入したものがk次モーメントになる証明

教科書に載っている結果を元にその後のデータ分析などを研究ではしていくわけだが、↑を実際自分で証明しようとすると案外手が動かない。負の二項定理とか完全に忘れてしまっていた...。仕事でデータ分析している人でも「カイ二乗分布の期待値と分散の導出をしてください」と言われたら、案外できない人も多いのではないか。

深層学習の細かいテクニックなどは5~10年後にはほとんど死滅してると思うけど、こういう統計学の基礎は10年経っても有用なままだと思うのでしっかり自分のものにしておきたい。なぜならば老後にもこういうので遊びたいから...。数学は叩いても壊れない最高の娯楽です。

講義の感想

初回しかまだ受けてないけど、こんな感じ。結構、満足感高いです。

  • 講義時間は3時間 & オンライン講義で集中力が持つか不安だったけど、1時間毎に休憩も入るので何とかなった
  • 講義はGoodNotes 5の画面共有をベースに進められていく。数学の講義は事前に作られたスライドベースだと理解が追い付かなくなりがちだけど、白紙のGoodNotesに実際書き込みながら進められていくのでむしろオフラインでの板書っぽい感じだった
    • 板書だと講師の方の字の綺麗さが問題になることがあるけど、講義の担当の方の字は普通に綺麗だったので助かった
    • オンライン講義になったことで録画もあり、翌日には講義動画が共有されてきたので、復習もしやすそう
  • 解説がかなり丁寧。数式の一行一行の行間や、展開していくときの気持ちが解説されていくので理解度や納得感も高かった
    • 大学の統計の講義だと、天下り式に証明もなしに公式がなぜか与えられてそれを前提に説明がされたり、結果は分かるけどどうしてそれが出てきたのか分からねえ...みたいな説明が結構多かったからね...
  • 受講生は20人くらいいらっしゃったけど、結構質問も出ていて、自分も勉強になった
    • 自分も講義してみて思ったけど、オンライン講義はどうしても質問が少なくなりがち。安くない受講料を払って参加されているから、みなさんモチベーション高そう

というわけで、しばらく数学頑張っていこうかなと思います。やっぱり数学は癒しだなぁ。

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