いろいろ(先生に質問したところとか)

とりあえず書きなぐる。

ボレル集合体と命題1.6のところ

P17のgがどういうものかよく分かっていなかった。正確に言えば、分かったつもりになっていた。gは例えばこういうもの。
(0,1) \in g
または、こういうもの。
\{(0,1),(2,3)\}\subset g
こういうものではない、ということに注意。どのレベルの集合か、集合体なのか。
\{(0,1)\} \in g

ボレル集合体

R^dの開集合すべての要素に持つ、最小の\sigma-集合体(開集合族を包含する)。

「集合の要素である」、とは以下のようなこと。

A \subset R^dを一つ決める→A\beta(R^d)の要素かどうか判別できる

\sigma-集合体は以下の3つの性質を有していた。

  1. AR^dの開集合であるならば(A \subset R^d),A\beta(R^d)のようになっている。
  2. AR^dの閉集合であるならば、Aの補集合であるA^c、つまり開集合も(A^c \subset \beta(R^d))となっている。
  3. AA_1 \cup A_2 \cup \cdotsA_iが開集合か閉集合であるならばA \subset \beta(R^d)となっている。

gを含む最小の\sigma-集合体とは、gで生成される\sigma-集合体、と同値である。これはgの要素を使って、\sigma-集合体の公理で作れるものを全部集めてきたものである。

図参照。\beta(R^d)が補集合や、和集合、積集合をどんどん取って広がっていくことが分かる。しかし、どこまでも広がる、というわけではなく上界が存在している*1。その上界のような存在が最小の\sigma-集合体と呼ばれるようなものであり、gにより生成される\sigma-集合体である。

ルベーグ積分と完備化

完備化すると何がうれしいのか、ということについて。

測度空間(B,u)が完備である、とはA \in \betaで、 B \subset Aで、u(A)=0であるならば、B \in \betaということである。また、これよりu(B)=0である、ということが分かる。

これだと何がうれしいかさっぱりであるが、以下のようなところがうれしい。ルベーグ積分を定義するにあたって、ベキ集合ではなく、\sigma-集合体とか半開区間などというものを考えた。ベキ集合のほうが当然大きいわけで、そう考えると\sigma-集合体とかはベキ集合から捨てさった部分がある。そういった部分については確率が定義できない。

確率が0である、ではなくundefであるという状態は非常に困る。

リーマン積分では完備化をしなくてもそういう性質がある(ある集合の測度が0だったら、その部分集合の測度も決まる→その測度は0)が、ルベーグではそうとは言えない。ルベーグのほうがリーマンより大きいように積分を設計したいので、これでは困るのである。というわけでルベーグ積分をする前に完備化という作業をするのである。

*1:証明はなんか難しそうなので飛ばす