最適化理論の半正定値の定義と「固有値が0以上」が同値なことの証明

まず「固有値が0より大きい」→最適化理論の正定値の定義(x^TAx \geq 0)を示す。

Aをn \times n行列とすると、全てのk=1,\cdots,nに対してAx_k = \lambda_k x_k、かつ\lambda_k \geq 0であるとする。つまり、「固有値が0以上」とする。すると全てk=1,\cdots,nのに対してx^T_k Ax_k = x^T_k \lambda_k x_k = \lambda_k x^T_k x_k = \lambda_k \sum^n_{i=1}x_k^2 \geq 0となり、最適化理論の半正定値の定義を見たしていることが分かる。

次に、最適化理論の正定値の定義→「固有値が0以上」を示す。

x^T_kAx_k \geq 0が成立しているとすると、Ax_k = \lambda_k x_kに左からx^T_kを掛けるとx^T_kAx_k = \lambda_k x^T_k x_kx^T_kAx_k \geq 0だから、\lambda_k x^T_k x_k \geq 0が成立するが、x^T_k x_k \geq 0は常に成立、なので\lambda_k \geq 0であることが言える(全てのk=1,\cdots,nに対して)。これより、最適化理論の正定値の定義→「固有値が0以上」が示せた。

最適化法 (工系数学講座 17)

最適化法 (工系数学講座 17)