積分と面積
ジョルダンのような厳密な意味で面積概念を見直しても、f(x)が連続ならば、Sは必ず面積を持つことが示される。
リーマン積分
しかし、面積概念がジョルダンのように確定したならば、何も関数fが連続と仮定しなくとも、fのグラフの作る図形Sが面積確定のとき、fは定積分可能であるといってその面積の値をfの定積分として定義してよいわけである。
ん、連続の仮定がいらない?本当かよ?
リーマン積分可能であることの定義
f(x)は区間で定義された関数であって、適当な整数Mを取るとを見たしているとする。この時、関数fのグラフの作る図形Sが(ジョルダンの意味で)面積確定の時、fはリーマン積分可能であるといい、Sの面積をと表わす。この辺はなんとなく(おい)いいかなー。ああ、でも連続性が全く言ってないんだった。連続性のところが"ジョルダンの意味で面積確定"のところに吸収されちまってる気がするんだけど、どうなのか。見てみるか。
"ジョルダンの意味で面積確定"というのは外測度と内測度が一致することだった。で、区間を分割してsum取ってinfとsupを考えるといういつもの作業。で、区間を無限に小さくしていくとsumのinfとsupは近づいていくことが知られているらしい(ダルブーの定理)。で、これはとが一致することである。
で、区間で有界な関数f(x)に対しては、この条件が成立することをリーマン積分可能の条件としているらしい。有界が必要なところに注意だな。
リーマン積分可能な関数
定理が与えられている。区間[a,b]で連続な関数は、リーマン積分可能である。より、一般に、区間[a,b]で有限個の不連続点を除いて連続な関数は、リーマン積分可能である。
リーマン積分可能である条件が大分分かりやすく挙げられてるな。で、有限個の不連続点を除いて連続な時には、不連続点を囲む、十分面積の小さい長方形を取ることができるので、そういう不連続点における面積の影響を極限においては0にできる→面積確定となり、リーマン積分可能となる。
で、実は"単調増加な関数の不連続点は高々可算個である"という事実があるらしく、それから単調増加な関数はリーマン積分可能である、という定理が示せるらしい。あれ、さっきの定理だと有限個の不連続点って言ってたのにな。加算無限まで勝手にレベルが上がってるぞ?が、先へ進むことにしておく。
追記
P116に「可算個の不連続点しかもたない有界な関数は、リーマン積分可能である」と書いてあった。。。@mrknさんにご迷惑をおかけしました。。。
- まんぞくさん, Ph.D on Twitter: "@syou6162 「単調増加関数はリーマン積分可能」である定理の証明に「単調増加関数の不連続点は高々可算個」であることは使われていない気が"
- まんぞくさん, Ph.D on Twitter: "@syou6162 「単調増加関数の不連続点は高々可算個」という性質は,「高々可算個の不連続点を持つ有界関数はリーマン積分可能」を使って「単調増加関数はリーマン積分可能」を証明するときに使う (つまり本の出現とは逆方向),っていう事なんじゃないかと"
リーマン積分可能な条件
上とかでもリーマン積分可能になる条件とかを書いていったわけだけど、第13講にあった、面積確定のための判定条件というのを用いれば、次のように書けるらしい。関数f(x)が区間[a,b]でリーマン積分可能となる必要十分条件は、fのグラフのつくる図形Sに対してが成り立つことである。
で、なんかその次のところに単調増加の話が出てくるわけだが、また可算個と言いながら、加算無限はどうなのか分からないような感じの説明がしてある。いらいら。
で、今までのリーマン積分可能となる必要十分条件が、次のような簡明な形で与えられるらしい。
区間[a,b]で有界な関数f(x)がリーマン積分可能となる必要十分条件はfの不連続点の集合が、測度0となることである。
んーっと、簡明な形で与えられて嬉しいのかもしれないけど、俺には「集合が測度0になる条件とかって何だっけ?」とかえって混乱をもたら(ry。
で、測度0の定義はP43に書いてあった。を満たす集合のことらしい。ルベーグ外測度が0になる集合ということか*1。じゃあ、ルベーグ外測度が0になる条件みたいなのを定義に当たる以外の方法ってないのかな。。。
と思ったらP43の下のほうに何か書いてあった。
零集合(測度が0の集合のこと)は常に可測であり、特に空集合は可測である。零集合であることと外測度の定義に戻って言い変えると、次のようになる。Sが零集合であるための必要十分条件は、任意の正数に対して、可算個の長方形が存在して
(i)
(ii)
ふーむ。Sは可算個の長方形の和集合であって、その長方形の面積の和は[\epsilon]で抑えられるよ、っていう感じなのか。これを見れば
- 集合の測度が0であるかどうかを(上のやつより)調べることができる
- その方法で、不連続点の測度が0であるかを調べる
- 不連続点の測度が0であったら、その関数はリーマン積分可能である
ということが分かる、ということかな。
過去の記録
- 第二講 数直線上の長さ - yasuhisa's blog
- 第三講 直線上の完全加法性の様相 - yasuhisa's blog
- 第四講 ふつうの面積概念 - yasuhisa's blog
- 第五講 ルベーク外測度 - yasuhisa's blog
- ルベーグ積分とはなんぞや - yasuhisa's blog
- ボレル集合体とはなんぞや - yasuhisa's blog
- ボレル集合体に対してもうちょい深める - yasuhisa's blog
- 集合列の上極限と下極限 - yasuhisa's blog
- 積分の2歩手前くらい(上極限集合と下極限集合の続き) - yasuhisa's blog
- いろいろ(先生に質問したところとか) - yasuhisa's blog
- 第13講 可測集合の周辺 - yasuhisa's blog
- 第14講 測度論の光と影 - yasuhisa's blog
*1:内測度は外測度より小さいので外測度が0なら内測度も0