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積分の2歩手前くらい(上極限集合と下極限集合の続き)

実解析

ここの続き。集合列についてもう少し書く、と書いていた。集合列の極限について色々見ていくと、こういう記述がある。

  • 上極限集合とは『無限に多くのE_nに含まれる点の集まり』
  • 下極限集合とは『有限以外は全てE_nに含まれる点の集まり』

何を言っているか分からないので、調べてみた。ここが分かりやすいと思った。

で、自分の言葉で書いてみるのが大切なので書いてみる。

追記

集合論の勉強をしたときにスムーズに分かるようになった。

集合列の極限

上極限集合と、下極限集合を定義するために*1、まず、準備として集合列の極限について考えてみる。

単調増加列の極限

単調増加列とはE_1 \subset E_2 \subset \cdots \subset E_n \subsetとなるような集合列で、その極限を\lim_{n \to \infty}E_n = \cup^\infty_{n=1}E_nと書く。

単調減少列の極限

単調減少列とはE_1 \supset E_2 \supset \cdots \supset E_n \supsetとなるような集合列で、その極限を\lim_{n \to \infty}E_n = \cap^\infty_{n=1}E_nと書く。

ふむふむ

集合列の極限というのは、加算無限個の和集合や積集合で表わす、ということが新しいところか。なんか応用確率論で適当に聞いていたような記憶があるぞ。

で、さっきのところによると、上極限の「無限に多くのE_nに属する点の集まり」を考える、とある。よし、日本語でおk。

無限に多くのE_nとは、すべてのnについて、k \geq nとなるようなkが存在して、そんなkよりも先にあるE_nに属している点、ということらしい。まだ日本語じゃないな。kより先にあるE_n、という表現がよく分からないぞ。n=1とすると、k=1とかk=2はこの条件を満たす。その先にあるE_nというのはE_2とかE_3のこと、ということか。で、kをどんどん大きくすれば、\cup^\infty_{n=k}E_nはどんどん小さくなっていくので、単調減少列、ということになる。なので、上で定義した極限の考えを使うと
\lim_{k \to \infty} \cup^\infty_{n=k}E_n = \cap^\infty_{k=1}\cup^\infty_{n=k}E_n = \limsup_{n\to\infty}A_n
ということになる。まだ分からない。そこでルベーグ積分30講 (数学30講シリーズ)を引っ張り出す。P81。下から6行目くらいにこんな記述がある。

x \in \limsup_{n \to \infty}A_nということは、どんなnをとっても常にx \in \cup^\infty_{k=n}A_kが成立することである。

頭の悪い僕にはこれでもよく分かっていなかったんだけど、ようやく分かってきた。どこが分からなかったかと言えば、「どんなnを取っても」というところと「集合の"かつ"を取る」という操作がどう結びつくのか分からない、というところだ。

「どんなnを取っても」と「集合の"かつ"を取る」の関係性

でも、分かった。「どんなnを取っても」成立する、というためにはこういうとが言えればよい。

例えばこういうことを考えればいいだろう。集合関数*2を考えて、その集合が、ある性質を満たしていれば1、そうでなければ0を返すようなindicator functionを考える。集合が添字付けられているとして(添字がnとする)、どんなnについてもある性質が成立するということはn個の集合に対して、indicator functionを適用したかけ算がまだ1であればよい、というとだ。もうちょっとちゃんと説明する。indicator functionをf(A)として\prod^\infty_{n=1}f(A_n)=1が成立するということだ。積を取っているので、どれか一つでも性質を満たさなければ全体は0になってしまう。つまり、これが成立するということは、どんなnに対しても成立する、ということだ。これは「どんなnを取っても」と同値だろう。だから、「集合の"かつ"を取る」を取っていたわけだな、なるほど。

よし、じゃあ今度は「下極限とは「有限以外は全てE_nに含まれる点の集まり」』の方を理解しよう

さっきと似たような手順を踏むことにしよう。似たようなことをすると

x \in \liminf_{n \to \infty}A_nということは、あるn \geq n_0となるnに対してx \in \cap^\infty_{k=n}A_kが成立することである。

ということになる。「あるn \geq n_0となるn」って何?ってところで僕が頭は止まるわけですね、分かります。

n < n_0となるnに対しては、xが\cap^\infty_{k=n}A_kに入っているかは分からない。なんだけど、n \geq n_0となるnに対してはx \in \cap^\infty_{k=n}A_kであることを保証できる、ということを言っている。そういうnすべてに対して言いたいから積集合を取ってるわけね。これは上極限にやったindicator functionのところの話と一緒。

で、1,2,\cdots,n_0は上の性質を満たすように並び替えとかを考えればよい。1,2,\cdots,n_0というのは有限個である。で、n \geq n_0というのは、そんな有限個の添字のやつを取り除いたやつだから、有限以外は全てE_nに含まれる点の集まりという表現が出てくるわけだな、なるほど。

で、今度は\cup^\infty_{k=1}の和集合演算が問題になってくる。だけど、ここは最初の単調増加列の極限という話を思い出せばどうにかなる。\cap^\infty_{k=1}A_kというのはk=1から無限までの積集合を取っているからかなり狭い集合(べん図的な意味で)になっているんだろうなぁということが予想される。で、\cap^\infty_{k=2}A_k\cap^\infty_{k=3}A_kとやっていけば、"かつ"の条件が一個ずつはずれていくので、スタートとなるnが増えれば増えるほど\cap^\infty_{k=n}A_kというのはでっかくなっていく。ということは\cap^\infty_{k=n}A_kというのはnに対して単調増加列だということが分かる、というわけだ。単調増加列の極限というのは、\lim_{n \to \infty}A_n = \cup^\infty_{n=1}A_nというのが定義だったから、今回の場合に適用してやると。
\cup^\infty_{n=1}\cap^\infty_{k=n}A_k
という風になる。

まとめると、ある有限個のところを取り除いた積集合を考えるんだけど、それの極限を考えると、下極限集合の定義と一致しているね→ということは、下極限集合は『有限以外は全てE_nに含まれる点の集まり』ということになる、というわけですね。

なんか長くなってしまったんだけど、これは僕の理解が足りていない何よりの証拠ですね。がーんばろーっと。

過去の記録

*1:一昨日に定義はしてるんだけど、今回のが理解しやすいように定義しなおす

*2:集合関数というのは、引数に集合を取るような関数のこと